home






徒 然 雑 記 2009
ライン・ペン










  ペン   「珈琲狂い」 20091124

 今年の春から職場の休み時間に、ちょくちょく珈琲を淹れるようになり、いささか豆の味にこだわっている。ネット上のめぼしい専門店で、珈琲豆を手当たり次第注文し、自分の好みに最もあったブレンドを探している。
 わたくしの理想は、次の通り(3点満点)。

  • 甘み ★★★
  • コク ★★★
  • 香り ★★★
  • 苦み ★
  • 酸味
  • ※焙煎は、シティローストからフレンチロースト程度。「香り・苦み★★」でも可。

     実際にこんな味の珈琲は、ほとんどあり得ないわけで、要は甘みとコクがあり、酸味がなければ良い。
     学生の頃にも、かなりはまった時期があり、京都中の喫茶店を巡り、名店の味を賞味していた。この経験を元にして、主に京阪神と名古屋あたりの専門店を狙っている。
     その主だったものは、次の通り(3点満点)。
      《優良店》 ※新規開拓分・お気に入り順
    1. 萩原珈琲 ★★★  
       お薦め:「ストロングブレンド(ニブラブレンド)」「オリジナルブレンド」
       高い、サービスが悪い、でも旨い。炭火焙煎を発明したという、神戸の頑固な老舗。特に「ストロングブレンド」は、わたくしの理想に近い味。
    2. 神戸珈琲 ★★★ 
       お薦め:「炭火ハウスブレンド」「炭火スペシャル」
       値段はやや高めでも、味はかなり旨く、サービスもまあまあ良い。
    3. 加藤珈琲店 ★★ 
       お薦め:「プレミアムブレンド しゃちブレンド」
       セット物が激安で種類も多く、味はまあまあで、サービスが良い。
    4. 田代珈琲★ 
       お薦め:「ブレンド エクセレンス シティロースト」
       セット物が安く、焙煎を指定できる商品もあり、サービスと味は普通。
    5. TSUJIMOTOcoffee 
       若い店でサービスは良いけれど、まだ種類は乏しい。器具・カップが良い。
      《その他》 ※なじみの店
    1. エトナ・コーヒー ★★★ 
       お薦め:「シティーブレンド」
       千葉の珈琲豆問屋。値段とサービスは普通で、かなり旨い。種類が豊富な上、全商品で焙煎の度合いが指定できる。以前わが家では、主にここの珈琲を飲んでいた。
    2. 小川珈琲 
       京都発の大手珈琲会社。スーパーマーケットにも並ぶメジャーな商品の中では、比較的好みの味に近い。
     また、それほど珈琲に凝るなら、淹れ方も見直そうと、いわゆる「円錐ドリップ」を買ってみた。
     いろいろある中で、とりあえず比較的メジャーな、ハリオ(HARIO)の製品を試すことに決め、 「V60透過ドリッパー」 でセラミック製のものを選んだ。これは円錐型をしたドリッパーの底部に、大きめの穴が一つ空いており、珈琲がドリッパーに溜まらず、滴下速度を自在に調節できて、ネルドリップに近い味が出るそうだ。

    ◎製品説明
     お湯の速度で「味」が変えられる、V60透過ドリッパー

  • ネルドリップの美味しさとペーパードリップの手軽さを両立。
  • 珈琲粉の層が深くなる「円すい形」が、しっかり旨みを抽出します。
  • 素早く注げばスッキリ味、ゆっくり注げばコク深い味。大きなひとつ穴なので、注湯の速度で味が変えられます。
  • 珈琲粉の膨らみを妨げない、スパイラルリブ採用。
  •  実際に使ってみると、普通のペーパードリップと比べて、さほど特別な操作が必要なわけでもなく、珈琲の雑味が少なくなり、透明な味わいがした。専用のフィルターが、近くの店にない不都合はあるけれど、ペーパードリップとあまり値段も変わらず、これからは「円錐ドリップ」を主に使っていきたい。
     しかしこの秋は、毎日平均5杯ほど珈琲を飲んでおり、少々胃が荒れてしまった。寝付きも悪くなり、このままで行けば、カフェイン中毒になりそうだ。あえて大げさに表現するなら、「体を張って試飲した」と、言っても過言ではない。しかし、いい歳をした大人が、今更そんなことするか、ふつう…。
     でもまあすでに、お好みのブレンドがいくつか見つかったので、しばらくしたらまた適量(毎日2・3杯)に戻すつもりでいる。






      ペン   「PENTAX K-7」 20091103

     10月18日、市内にある「カメラのキタムラ」から入荷案内があって、とうとう念願の「PENTAX K-7」(「ケーセブン」とよむらしい)を購入した。
     注文はネットショップの方へ、10月12日の22時半過ぎに出し、「店舗引き取り」を依頼していた。「ネット注文限定セール50台限り」にギリギリ引っかかり、注文当時は「なんでも下取り」やポイントを入れると、「価格コム」の中でも安い方だった。
     しかしデジカメの価格など、毎週下がっていくもので、もうネットで値段は見たくない。
    「カメラのキタムラネットショップ」
     購入日時  2009/10/12
     決済方法 店舗支払い
     受取店 カメラのキタムラ ○○店
    ================================================================
     商品名  ペンタックス K-7 ボディ
    ----------------------------------------------------------------
     《品薄:納期約1〜2週間》 【ネット注文限定セール 50台限り!】
      2009年10月09日20時〜10月12日23時まで (なんでも下取り)
      単価(税込)  \108,000  下取り値引額 -\3,000
    ================================================================
    PENTAX K-7 & DA40mm Limited】
    ※PENTAX K200D DA35mm Macro
     《←》f2.8 1/49s ISO200 -0.3EV
        f8.0 1/24s ISO800 -0.3EV《↑》
    【主な仕様】
    • 有効画素数 約1460万画素
    • 撮像素子 総画素数約1507万画素 CMOSサイズ…23.4×15.6mm
    • 感度 AUTO/ISO100〜3200 カスタム設定によりISO6400使用可能
    • 記録サイズ JPEG:14M(4672×3104)、10M(3936×2624)、 6M(3072×2048)、2M(1728×1152) RAW:14M(4672×3104)
    • 画質 RAW:PEF、DNG JPEG:★★★★(プレミアム)、 ★★★(S.ファイン)、★★(ファイン)、★(エコノミー)、 RAWとJPEGの同時記録可能
    • 記録媒体 SD、SDHCメモリーカード
    • ホワイトバランス オート、太陽光、日陰、曇天、蛍光灯、白熱灯、ストロボ、CTE、マニュアル
    • ファインダー 種類…ペンタプリズムファインダー、視野率…約100% 視度調節機能…約-2.5〜+1.5m-1 倍率…約0.92×
    • ライブビュー 視野率約100%、拡大表示、グリッド表示可能、白とび黒つぶれ警告表示、ヒストグラム表示 フォーカス方式…コントラスト検出+顔検出/コントラスト検出/位相差検出
    • 画像モニター 形式…TFTカラーLCD イメージサイズ…3.0型 ドット数…約92.1万ドット
    • プレビュー プレビュー方式…光学プレビュー/デジタルプレビュー
    • デジタルフィルター 撮影時…トイカメラ、レトロ、ハイコントラスト、色抽出、ソフト、クロス、フィッシュアイ、カスタム 再生時…トイカメラ、モノトーン、レトロ、カラー、ハイコントラスト、ソフト、色抽出、クロス、水彩画、フィッシュアイ、パステル、スリム、ミニチュア、 HDR、ベースメイク、カスタム
    • オートフォーカス フォーカス方式…TTL位相差検出式 測距センサー…SAFOX VIII +(11点測距) AFモード切替…シングルAF(AF.S)、コンティニュアスAF(AF.C)、スーパーインポーズあり、AF補助光可能
    • 露出制御 測光方式…TTL開放77分割測光、中央重点測光、スポット測光 露出範囲…EV0〜22 露出モード…グリーン、プログラム、感度優先、シャッター優先、絞り優先、シャッター&絞り優先、マニュアル、バルブ、X 露出補正…±5EV
    • シャッタースピード オート:1/8000秒〜30秒、マニュアル:1/8000秒〜30秒、バルブ
    • 連続撮影 約5.2コマ/秒、JPEG(14M・★★★・連続Hi):約40コマまで、 RAW(PEF・連続Hi):約15コマまで、RAW(DNG・連続Hi):約14コマまで約3.3コマ/秒、JPEG(14M・★★★・連続Lo):カード空き容量まで、 RAW(PEF・連続Lo):約17コマまで、RAW(DNG・連続Lo):約17コマまで
    • 内蔵ストロボ ガイドナンバー約13(ISO100・m)
    • 手ぶれ補正機能 撮像素子シフト方式
    • ダストリムーバル 超音波振動による撮像素子クリーニング機能
    • 電源 充電式リチウムイオンバッテリー D-LI90
    • 電池寿命 撮影可能枚数…ストロボ50%発光:約740枚、ストロボ発光無し:約980枚 再生時間…約440分
    • レンズマウント ペンタックスバヨネット KAF2マウント
    • 外形・寸法 約130.5mm(幅)×96.5mm(高)×72.5mm(厚)
    • 質量(重さ) 約670g(本体のみ) 、 約750g(電池、SDカード付き)
     かねてから愛用している「K200D」(「PENTAX K200D」 20080505参照)と、大きさはほとんど変わらず、電池を入れると、むしろ「K-7」の方が軽く感じた。
     しかし「K-7」はちょっと試してみただけでも、次の10点で優れているように感じ、やはりカメラとして格上だった。そのままでは単三電池が入らないこと以外(バッテリーグリップには入る)、「K200D」に劣る点が見つからない。
    1. ファインダーが見やすく視野率100%
    2. 液晶が一回り大きくて鮮明
    3. ライブビューがある
    4. 前後に電子ダイアルがあって使いやすい
    5. 電子水準器が付いている
    6. シャッターが軽快
    7. AFが早い
    8. ホワイトバランス「CTE」が良い
    9. 撮影感度が高い
    10. 動画が撮れる
     実を言うと「K200D」は、まだ現役として充分な機能を持っており、来年くらいまでなら、新型を買わないでもがまんできただろう。
     けれども今年、あえて「K-7」を買ったのは、家庭の事情でいろいろきつかった半年を、なんとか凌げた褒美としての意味と、期せずして例の「定額給付」があったり、さらに勤続○○年の報奨金が入ったためだ。こうした臨時の収入で、購入資金の半額近くを確保でき、後はいつのタイミングで、どこのお店へ注文するかだけだった。
     6月末の発売以来、毎日あれこれネットショップを探索する内、冒頭で紹介した特売を見つけた。もうボーナス払いで行ける頃だし、そろそろ決断の時機かなと思って、逡巡しつつ締め切り間際に注文ボタンを押した。納期が1〜2週間ということだったのに、1週間以内で現物が届き、即日受け取り、以後マニュアルと首っ引きで、各種の設定を行っていた。
     そのように新しいデジイチをいじり、毎日すこしだけ幸せな気分でいたところ、先日ふと用事(ネット会員情報変更)があって、「カメラのキタムラネットショップ」を見たら、なんとまた次のような特売をしていた。
    ================================================================
     商品名  ペンタックス K-7 ボディ
    ----------------------------------------------------------------
     ネットショップ限定品50台限り!
     2009年10月30日20時〜11月1日23時まで
     ■販売価格:¥106,800(税込) (なんでも下取り)
      下取りのカメラがあれば、さらに¥8,000円値引
    ================================================================
     ひと月も経たないうちに、わが愛機が同じ店で7千円も安く、叩き売りされているとは!
     ほんとうにわたくしは、安売り競争で勝ったためしがない。何を買っても、後でかならずよりお得な商品を見つけ、切歯扼腕していた。しかしこればかりは時の運で、いつどれだけ値引きがあるかなど、神のみぞ知ることだろう。
     心から欲しいと思った時、すぐ買うのが吉であり、ぐずぐずしていたら気後れし、買いそびれるだけだ、…と言いたいところなのだけれども。





      ペン   「台風18号」 20091012

     久しぶりに、台風が富山県内を直撃した。
     今年の台風18号は10月8日の8時、中心が諏訪市の南約30キロにあり、時速約50キロの速さで北東へ進み、中心の気圧は960ヘクトパスカル・最大風速は40メートル、最大瞬間風速は55メートルで、中心の南東側220キロ以内と北西側170キロ以内では風速25メートル以上の暴風となっている。
    ※「平成21年 台風第18号に関する情報 第68号 (位置)
      平成21年10月8日08時40分 気象庁予報部発表
    」による。
     これは、北陸に来る台風の中では、かなり大型の部類になる。
     同じ時刻における、県内の状況は以下の通り。
    【KNB NEWS】(KNB WEB) 2009年10月08日 08:00現在
      「台風18号 県内暴風域に」(抄)
     強い台風18号は8日午前5時すぎ、愛知県の知多半島に上陸し、富山県内は午前6時過ぎから暴風域に入りました。富山県に8日の昼前、午前9時ごろに最も接近する恐れがあり、現在、富山県全域に暴風警報が、県東部と西部北に波浪警報が出されています。富山地方気象台は暴風や高波、大雨などに警戒するよう呼びかけています。
     北陸電力によりますと午前7時現在、県内では富山市や高岡市、射水市など7市で約1万8980戸が停電しているということです。
     富山県内は風が強く、富山市で午前6時57分に最大瞬間風速32.5メートルを観測しました。風のピークは8日の朝で、夕方までの最大風速は陸上で25メートル、海上で30メートルの見込みです。県内の雨のピークは8日の昼頃で、1時間に40ミリの非常に激しい雨が降る所があり、大雨となる恐れがあります。
     台風の接近を受けて、8日は富山県内の公立の幼稚園と小中学校、県立高校が臨時休校となります。台風18号の影響でJRは富山県内の全線で始発から列車の運転を見合わせていて、午前中の運転再開は難しい見込みです。
     氷見市内において、最も風雨が激しかったのは7時頃で、ちょうどわたくしの通勤時間に当たった。いつも徒歩で通勤しており、風速15メートルを越えるような暴風雨で、傘を使える状態ではなく、古い雨合羽を探し出し、着て行った。もしかするとこの合羽は、はじめて袖を通したかもしれない。
     途中、豪雨でろくに前が見えず、強風のため歩行が困難だった。また割れた看板が飛び散り、いささか身の危険を感じた。氷見に帰って来てから、こんなひどい目に遭った記憶はない。
     この台風18号は、2004年10月の23号に、規模やコースが似ていた(「もう台風で地震で」 20041025参照)。台風23号は、中心付近の気圧が980ヘクトパスカル・最大風速35メートルで、10月20日午後11時頃、富山県にもっとも近づいた。
     その時にも触れた通り、県内へ台風が来た場合、通常は南西の風が強まり、フェーン現象のせいで気温が上がっても、立山連峰が風を遮り、それほど被害はない。しかし23号は中部地方を直撃し、風向きが北東で「あいの風の台風」となり、冷たい風雨が激しく降り注ぎ、大きな被害が出た。午後7時頃、高岡市伏木で40.6メートルの最大瞬間風速を観測し、氷見市で土砂崩れが発生し、富山港沖で避難停泊していた練習船「海王丸」が、防波堤に衝突した。
     しかしよく似たコースだった割には、今回の台風18号はそれほど被害がなく、市内で停電が起きた程度だった。
     個人的に少々きびしい体験はしたけれども、不幸中の幸いと言わなければならない。






      ペン   「虫干し」 20090926

     いわゆる「シルバーウィーク」も終わり、暑さ寒さも彼岸までということで、近頃めっきり朝晩涼しくなりました。皆様いかがお過ごしでしょうか。
     当方は、奥様の様子も快方に向かい、ようやくふだんの生活が戻りつつあります。
     政権交代や新型インフルエンザなど、世上がひどく慌ただしいようですけれども、どうか季節柄ご自愛ください。


    【虫干し風景】
    PENTAX K200D DA40mm f4 1/15s ISO800
    ※クリックすると、画像が大きくなります。
     さて、9月初め頃の快晴の日に、ふと思い立って、わが家の虫干しを執り行うことにした。
     これまで、ささやかな研究活動をしていて、折々必要に迫られ買い込んだ古書も、数百冊に上る。その全部を一度に広げるスペースもないので、今後永く手元に置いて閲読したいものを選び、仏間の卓上に広げ、頁を逐一開き、まんべんなく風を通した。
     その様子は、写真の通り。
     最前列に、座右の書『妙好人伝』(全12冊)があり、正編(初篇〜五篇)・続編が2セット揃っている。各々版本が微妙に異なり、興味深い。その他、三業惑乱関係書や、『二十四輩順拝図絵』(全10巻)などもある。

     また同日、さらに応接間でも、愛蔵している影印本の『顕浄土真実教行証文類』(略称は『教行証文類』、通称が『教行信証』)を虫干しした。

    【書誌事項】
    『國寶 顯淨土眞實敎行證文類 影印本』
    京都 大谷派宗務所 1971年6月刊
    1帙6冊 32×23cm 親鸞聖人御誕生八百年 立教開宗七百五十年 慶讃記念出版 東本願寺蔵親鸞聖人真跡(坂東本)の原寸大コロタイプ覆刻
    付:解説本(130p 30×21cm)
    ※内容
    「教行信証の成立と改訂について」赤松俊秀 「教行信証の書誌」藤島達朗 「教行信証の教義」名畑応順


    【愛蔵の『教行証文類』】
    PENTAX K200D DA40mm f8 1/30s ISO400
    ※クリックすると、画像が大きくなります。
    見開きの頁は、「行文類 二」末尾
    にある「正信念仏偈」の開始部分。

     これは「親鸞聖人七百回御遠忌」の記念事業として、1956年に制作された影印本を、「親鸞聖人御誕生八百年」に当たり、1971年に再版されたもので、1995年12月京都の某古書店から破格の安値で入手した。
     ただ惜しむらくはモノクロ写真で、原本に見られる朱筆等が判別しにくい。
     それが、2011年に「親鸞聖人七百五十回御遠忌」を迎えるに当たり、真宗大谷派で改めて修復作業を行い、カラーのポジフィルムによる、『教行証文類』の全ページ撮影が行われた。これを元に2006年、国宝「教行信証(坂東本)」カラー影印本が部数限定で刊行され、東本願寺へ多額の懇志を上納した人へ、「御扱い(返礼)」として下付されたらしい。

     正直ご縁があれば、カラー影印本もぜひ入手したい。しかし、2005年12月26日で頒布申込受付は終了し、古書店にも全く入荷せず、大変入手困難な上、元々非常に高価らしい。念願が叶う見込みは、今のところ全然ない。
     わたくしのごとき者は、このモノクロ版で満足するしかない。
     それでも2007年7月に『増補 親鸞聖人眞蹟集成』全十巻(法藏館 親鸞聖人七百五十回御遠忌記念出版)を手に入れた。ここに収められている『教行証文類』は二色刷で、朱筆部分が判読できるようになっている。
     この両者を活用すれば、装丁も文字も概ね原本通り確認できるわけで、通常の文献批判には、これでじゅうぶんであろう。






      ペン   「パソコンの乱 2」 20090725

     いささか更新が遅れてしまいましたが、皆様いかがお過ごしでしたでしょうか。わたくしは、またしてもパソコンの乱に巻き込まれて、夜もろくに眠れない有様でした。
     以下、ことの顛末につて、詳しくお話しいたします。
     前回、「激安機種の候補がいくつかあり、近々発注する予定でいる」と書いたとおり、7月初めに次の通り、新しいマシンを発注した。最近パソコンは、ほとんどEPSONに決めており、例によって直販サイトから、オーダーをかけた。

    【EPSON Endeavor NP11-V】
     注文日 2009年07月04日
     Windows XP Home Edition Service Pack 3 正規版
     インテル Atom プロセッサ 230(1.6GHz)
     SiS672+SiS968チップセット(標準搭載)
     チップセット内蔵 SiS Mirage 3+グラフィックス(標準搭載)
     1.0GB(1.0GB×1) PC2-5300 DDR2 SDRAM
     160GB シリアルATA 対応 5400rpm
     SIS968内蔵 HDオーディオ(標準搭載)
     1000Base-T/100Base-TX/10Base-T対応ネットワーク機能(標準搭載)
     USB2.0対応(前面×2、背面×4)(標準搭載)
     小計 :¥25,750

     「Endeavor NP11-V」は、いわゆる「ネットトップPC」で、インターネットにつないで使用することに特化しており、DVDドライブなども付いていない。そのため非常にコンパクトであり、寸法は74.5×153.5×198.5mm(フットスタンド装着 幅×奥行き×高さ)、重さが約790gしかない。
     すでにフロッピーやDVD等、外付けドライブは各種持っており、多少マシンの性能は落ちても、ゲームなどを全くしない自分の用途には十分だった。ふつうの単行本1冊分ほどの大きさで、まったく場所を取らず、机の隅に置ける。外見だけなら、たいへん満足だった。
     しかし、「NP11-V」でデュアルブート環境をつくるため、「Turbolinux Client 2008」を入れたところ、ネットワークカードのドライバーが壊れてしまった。そこでやむをえず、初めてEPSONのテクニカルセンターへ電話すると、やはり「NP11-V」は、デュアルブートなどで使うことを想定していない機種だった。Linuxをアンインストールし、Windowsだけで1週間ほど使用して、また不具合が起きるようなら、交換すると言われた。
     とは言っても、今更Linuxなしではいられない。
     そこで「NP11-V」はサブマシンとし、泣く泣くメインのマシンをもう1台、追加発注することにした。その機種は次の通り。

    【EPSON Endeavor ST120E】
     注文日 2009年07月13日
     Windows XP Professional (Windows Vista Business 正規版のダウングレード利用)
     インテル Celeron プロセッサ 900(2.2GHz)
     モバイル インテル GM45 Express チップセット(標準搭載)
     モバイル インテル GM45 Express チップセット内蔵3Dグラフィックス(標準搭載)
     1.0GB (1.0GB×1) PC2-6400 DDR2 SDRAM
     160GB シリアルATA 対応 5400rpm
     スリムDVD-ROMドライブ シリアルATA 対応(再生ソフト付)
     チップセット内蔵 ハイ・デフィニション・オーディオ (標準搭載)
     1000Base-T/100Base-TX/10Base-T対応ネットワーク機能 (標準搭載)
     セキュリティチップ (TPM v1.2) (標準搭載)
     USB2.0対応 (前面×2、背面×4) (標準搭載)
     小計:¥69,300

     「Endeavor ST120E」は、通常のPCとしては、最もコンパクトなタイプであり、寸法が75×185×195mm(幅×奥行き×高さ)重さ約2.2Kgで、「NP11-V」よりひと回りほど大きいにすぎない。
     あまり安くはなかったが、「NP11-V」に比べ格段に処理が速く、安心して使えるだろう。と思って、再度「Turbolinux」をインストールしようとしたら、今度はディスプレイがまっ黒になった。どうやらOSのグラフィックスドライバーが、対応していないらしい。
     それならLinuxは、「Ubuntu」でも良いかなと思い、「Ubuntu 8.04 LTS」を入れようとすると、またディスプレイが映らなかった。がっくりきたが、気を取りなおして、最新版の「Ubuntu 9.04」を試してみると、なんとかネットワークもディスプレイも、正常に作動した。
     インストール作業の手順は、次の通り。

    【Ubuntu 9.04】
    □インストール(2009年07月21日)
     ※「日経Linux」2009・7号 付録DVD-ROMより
    《インストール方法》 デュアルブート環境
     ※WindowsXPとの共存で、Cドライブの他に、システムのBackupドライブがある場合。
    《パーティション作成》
     DVDより、ディスクトップ・システム起動。Ubuntu用パーティションを作成する。
     [物理ドライブ:150GB]
      Windows C:50GB(NTFS) D:2GB(FAT32)
      Ubuntu /(root):97GB(Ext3) swap:1GB(Linux Swap)
    《インストール》
     1.DVDを入れて再起動し、ディスクトップのインストールをクリック
     2.「ディスクの準備」(パーティション操作)「手動」を選択 
     3.以下、インストール処理。
    □「今昔文字鏡フォント」インストール
     「ホームディレクトリ」→右クリック「フォルダの生成」→フォルダ名「.fonts」→
     「.fonts」へTTFフォントをコピーする→端末を起動→「fc-cache -f」コマンドを実行→
     「fc-list」コマンドで確認→再起動
    □「ATOK X3 for Linux」インストール
     ※アップデートモジュールを当てない場合。
     1.CD-ROMドライブに、ATOK X3 for LinuxのCD-ROMを入れる。
     2.[Ctrl]+[Alt]+[F2]キーを押し、 仮想端末に切り替える。
     3.「root権限で実行するコマンドを、sudoで実行できるユーザー」でログイン。
     4.次のコマンドを実行して、空のファイル「/etc/gtk-2.0/gtk.immodules」を作成。
      $ sudo touch /etc/gtk-2.0/gtk.immodules
     5.次のコマンドを実行して、ATOKをインストール。
      $ cd /media/ATOKX3
      $ sudo bash ./setupatok_deb.sh
     6.ATOK X3 for Linuxの起動設定を行うため、次のスクリプトを実行。
      $ sudo bash /opt/atokx3/sample/setting_debian4.sh
     7.ログアウト。
      $ exit
     8.[Ctrl]+[Alt]+[F7]キーを押す。
      デスクトップログインの画面に戻る。
     9.任意のユーザーで新しくログインすると、ATOKが使える。

     前回(「EPSON Endeavor NJ2100」 20080722 参照)に、ノートPCへ入れた「Ubuntu 8.04」でも、ディスプレイの具合が悪かった。初期設定で画面の解像度が「800×600」以上にならなかったので、苦労して設定変更し、なんとか「1280×768」にした。
     今回はディフォルトで「1024×768」になり、これでも使えないことはない。しかしいま常用しているのは、19インチのディスプレイなので、ぜひ「1280×1024」にしたかった。けれどもどうやっても、通常の操作では「1024×768」以上にできなかった。
     概して「Ubuntu」は、ディスプレイの設定が弱点らしく、ネット上でもかなり話題になっている(参考 Ubuntu日本語フォーラム / 高解像度に設定できない)。ただここで紹介されている方法は、プログラミングの知識が必要で、リスクを伴い、必ずしも成功するとは限らない。少々めんどうで、やる気になれなかった。
     まあわたくしもすでに若くなく、「1024×768」は表示が大きいから、確かに目には優しいということで、無理矢理納得している。
     ともあれ、これで今回のマイ・システム更新も、概ね完了した。
     当初、旧マシンでテストしたとき、スムーズにOSが移行できた。これで作業はかんたんに済むと高をくくっていたのに、パソコンの抵抗が厳しく、思わぬ苦労をしてしまった。ほんとうにITの世界は、あなどってはならない。






      ペン   「パソコンの乱」 20090710

     6月は、久しぶりに気合いが入り、毎週のように更新してきた。
     これは当然、拙サイトのリニューアルに花を添えるため、珍しくがんばった成果に他ならない。しかしそればかりではなく5月末日、奥様がようやく退院できて、長かった闘病生活にひと区切りついたためでもあった。
     ほんとうに家族の誰かが病気になると、一家中ガタガタになる。家事や育児等の負担が重くのしかかり、この4か月間、綱渡りのような毎日だった。もう一人おかしくなれば、わが家は壊滅状態になったわけで、半年近くも皆そこそこ健康を保てたのは、まさしく不幸中の幸いだった。
     さすがに今年の後半は、もう不運に遭うことなどないだろうと、高をくくっていたところ、なんと7月に入ってから、わが愛機の調子がおかしくなってきた。せっかく好調にサイトを更新していたのに、たったひと月で頓挫してしまった。
     その症状は、次の通り。

     症状(1) @niftyにログインする際、2回に1回はブラウザが落ちる。
     症状(2) 最初ハードディスクにアクセスする際、読み込みが非常に遅い。
     症状(3) 大した処理もしていないのに、冷却ファンの回転数が異様に上がる。

     わたくしは恥ずかしながら、かなりパソコンに依存した生活をしており、これにはちょっと参ってしまった。
     暑くなると、機械の調子も乱れがちになるとはいえ、今回の症状は危険かもしれない。愛機も使い始めて、はや4年半経過しており、正直言ってハードディスクなど、いつクラッシュしてもおかしくない。メインに使っている古いOS(Turbolinux FUJI)も、サポートが11月頃に切れるようで、もう見切りをつける時期なのだろう。
     ということで、とりあえず症状の改善をはかるため、OSをインストールし直すことにした。そこで実は、かねてから昨年6月に出た、「Turbolinux Client 2008」を使いたいと考えており、この際OSを新しいものに変えてみた。
     「Turbolinux」も素直にパッケージを買えば、かんたんにインストールできる。しかし今度の「Client 2008」では、Live Editionが無料なので、「極力お金をかけない」というコンセプト(?)で臨んだ。
     その手順は、以下の通りだった。

    □『はじめてのTurbolinux Client 2008』(工学社2009)付録CDの、Live Editionを使用。
    □EPSON AT200へインストール。
     1.Acronis Disk Director Suiteをアンインストール。
     2.インストールCDを入れて再起動
     3.パーティション設定
      Turbolinux FUJIの設定を援用。
      Windows C:32G(NTFS) D:3G(FAT32)
      Turbolinux root:39G(ext3) swap:1G(Linux Swap)
      /dev/sda3:/(root) /dev/sda4:swap 
     4.ブートローダーの設定
      /dev/sda3 ブートパーティションの最初のセクタへ入れる。
    □ATOKX3のインストール。
     1.DVDドライブに、ATOK X3 for LinuxのCD-ROMを入れる。
     2.[Ctrl]+[Alt]+[F2]。仮想端末起動。
     3.root権限でログイン。
     4.次のコマンドを実行して、CD-ROMをマウント。
      # cd /mnt/ATOKX3/
     5.使用許諾書に確認の「y」を入力。
     6.次のコマンドを実行して、空のファイル「/etc/gtk-2.0/gtk.immodules.32」を作成。
      # /etc/gtk-2.0/gtk.immodules.32
     7.次のコマンドを実行して、ATOK X3 for Linuxをインストール。
      # /opt/atokx3/sample/setting_turbofuji.sh
     8.ログアウト。
      # exit
     9.[Ctrl]+[Alt]+[F7]。元の画面。
     10.任意のユーザーで新しくログイン。ATOKが使えるようになる。

     以上の手順では、「ATOK X3」のインストールが最も困難であり、頭を絞ってようやく起動できた。この他にも、ブラウザを最新の「Firefox 3.5」に変え、フォントも各種入れるなど、少々手間がかかった。そうした苦労がむくわれ、今回OSは無料であり、たいへんありがたかった。良い時代になったものだ。
     そうして数日使用してみたところ、前記の症状はまったく発生しなくなり、乱調の主な原因が、「Turbolinux FUJI」にあると分かった。Linuxは比較的安定したOSなのに、こうしたこともあるのだ。
     ともあれ、新しい「Turbolinux Client 2008」は、想像以上に使いやすかった。旧OSで、ブラウザやエディターなどに懐いていた不満は、ほとんど解消した。カスタマイズも以前ほど時間がかからず、もう従来通り使いこなしている。まさしく、「案ずるより産むが安し」だった。
     ただしかし、老朽化した愛機が、いつ壊れても慌てないように、パソコンは新しく1台買おうと思っている。
     すでに、激安機種の候補がいくつかあり、近々発注する予定でいる。






      ペン   「読経記について」 20090615

     去る6月9日(火)に、 「読経記—『大正新脩大蔵経』読書記—」の掲載を開始した。
     正直言ってこれは、この上なく抹香くさく、お堅い内容なので、あまり一般の方には、興味を持ってもらえないかもしれない。しかしながら、わたくし個人にとっては、永年の願いがようやく実現できた、画期的なコンテンツなのであった。

     なぜか自分は学生時代から、いつかは大蔵経を一揃い入手したいと考えていた。
     当然いま日本において、通常入手できる大蔵経といえば、『大正新脩大蔵経』しかない。ただこれは、全100巻(『昭和法宝総目録』3巻・『図像部』12巻を含む)にも及ぶ巨大な叢書であり、古書の最安値でも140万円ほどする。文字通り高嶺の花で、なかなか購入できなかった。
     それを結婚した時、一世一代の決心をして購うことに決め、かれこれ十数年前、めでたくわが家に来ていただいた。

     それからこの大蔵経を、どのようにして読み込んで行くか、あれこれ試行錯誤を繰り返した結果、近年ようやく自分なりの方法論が確立した。
     それは「大正新脩大藏經テキストデータベース」(SAT)のテキスト・データをパソコンに取り込み、原本と付き合わせて重要な経文を選び出し、適宜参考書も見ながら大意を踏まえ、読書記を作成して行く、というものだった。十年前はSATも始まったばかりで、大蔵経の一部しか公開しておらず、参照できない経典も多かったけれど、昨年85巻まで完成し、優れた検索機能も搭載して非常に使いやすくなった。
     この方法で、大蔵経の経部(1巻〜21巻)だけは、ぜひとも読み切りたいと考えている。

     こうでもしなければ、貧弱なわたくしの記憶力では、大小含め1400部を越える経典に、どんなことが書かれているか、一々覚えていられるわけがない。さらに例えば『雑阿含経』では、これ自体に1300部もの群小経典が含まれており、同様な経典は他にも数多く見られる。それらも逐一数え挙げて行くなら、総計は5000部を優に越えるかもしれない。
     ふつうの人間の能力で、とても細かな内容まで、記憶できるものではないだろう。
     このような読書記を綴るには、当然ながら多くの時間を要し、今自分が読書に割いている時間の大半を、これに費やしている。そんなことをしてどんな利益があるのか、自分でもまったく分からないけれど、なぜかもう日々の習慣となっており、すでに十年もの年月が経過した。

     この「読経記」を、拙サイトの1万アクセス記念に、最後の主要なコンテンツとして掲載することに決め、ここ一月ほどあれこれ頭を絞って作成してきた。
     しかしなんとか公開に漕ぎつけたものの、まだごく一部しか完成しておらず、これからどれだけ所期の目的を達成できるか、ひどく心もとない。けれども例の如く、あまりがんばりすぎず、また決してあきらめず、継続して行くことにしており、そうして無心に取り組んでいけば、生きている内にいつか望みがかなうかもしれない。
     もしこのような「読経記」に、興味・関心がおありの方は、どうかあまり多く期待せず、気長に見守ってやって下さい。
    ※なお、本来の「読経記」では、「経典番号・経典題名・経文摘要・内容紹介」という順で記述している。しかしWeb版では、頁数が膨大になる、外字の処理に手間取る、等の理由で、「経文摘要」は省いた。





      ペン   「1万アクセス記念リニューアル」 20090601

     2009年5月18日(月)、めでたく1万アクセスを達成した。
     しかし、まあ別に、それほど感慨はない。2003年1月からこのカウンターで数え初め、6年半もかかっている。さらに2001年11月から試作サイトを公開しており、それを加えると、もう1年遡ることになる。
     およそ丸7年はサイトを運営していたことになり、それをアクセス数で割ると、
    1年:1,429回
    1月:119回
    1日:4回
    となった。
     1日平均4回あるアクセスの内、1回はわたくし自身のものであり、他の皆様は毎日3人ほど、見に来られる程度であろうか。ことほど左様に、拙サイトのマイナーぶりが証明されたことになり、少々複雑な気持ちになる。
     けれども最初から宣言している通り(「検索サイト 続」20030819参照)、この「不知の森」は元来マイナー志向なのだから、まあ当然の結果ではある。今後も「がんばらない、あきらめない」をモットーとして(「祝!やっとこさ5000アクセス」20050911参照)、末永く続けて行きたい。
     さて、それではこのたび拙サイトの、どこが新しくなったか列挙すると、次のようになる。

      「不知の森」リニューアルの概要

    1. ページの横幅を600ピクセルから700ピクセルに拡大
       近年、ディスプレイが大型化・ワイド化して、一般的にWebサイトの横幅が広くなっており、拙サイトでもこうした流れに倣ってみた。
    2. 「晴耕」・「雨読」ページを無くしTOPページに統合
       考えてみれば、目次ページを複数に分けるのはムダだった。
    3. 「徒然雑記」ページリニューアル
       過去のページを開きやすくするため、TOPページに目次を作成した。
    4. 「生物」コーナー新設
       新たにコーナーを設けたものの、中身は旧コンテンツを置き換えただけなので、お恥ずかしいかぎり。
    5. 「愛犬」コーナーを無くし「迷犬柴太朗」は「生物」へ
       このコーナーは、もう完全にマンネリ化しており、ネタ切れ状態なので、残念ながら廃止し、不定期更新とする。
    6. 「菜園日誌」新設
       最近「里山日記」の内容が、家庭菜園中心となってきたので、新たに分離独立させた。従って、必然的に「里山日記」の更新は、少なくなると思われる。近日掲載。
    7. 「読経記」新設
       1998年4月以来書き続けている、『大正新脩大蔵経』の読書記を再編集し、Web上でも公開することにした。今後、拙サイトの主要コンテンツとなる予定。近日掲載。

     なにぶん今回は、新しいコンテンツを追加した他、ほぼ全ページに手を入れており、時間的にたいへん厳しく、見落としも多いと思われる。
     リンク切れ等、見つけ次第訂正して行きますので、お気付きの点があれば、お教えいただければ幸いです。






      ペン   「悲しき衝動買い」 20090505

     昨年のクリスマス・イブに、いま大評判の望遠ズームレンズ、

     「PENTAX DA55-300mmF4-5.8ED

    が届いた。
     ネット通販・ムラウチドットコムの特売で、あの価格コムの最安値より安く、3万円ほどで買えた。これはほとんど、「海越立山」を撮るために買ったようなものだ。
     ちなみに、昨年の秋に買った「 DA21mm F3.2 Limited」は、わたくしにとり上日寺の銀杏を撮るためにあるようなレンズと言えよう。

     また同じクリスマス頃、カメラ本体と一緒に買った標準レンズ「FA50mmF1.4」を付けっぱなしにして、雑に扱っていたら、レンズに大きなゴミが入ってしまった。
     これは写りが良く、明るく、安いという三拍子の揃ったレンズであり、あわてて隣町のジョーシンまで行き、初めて分解清掃に出した。幸い保証期間中で、無料だった。

     それだけならばまだ良いが、よせばいいのに今年の2月12日、広角ズームレンズの、

     「PENTAX-DA 16-45mm F4ED AL

    を衝動買いした。
     ネット通販・マップカメラの特売で、やはり価格コムの最安値より安く、3万円以内で買えた。
     ほんとうにわたくしは、特売に弱い。これでキットレンズを含め、1年ほどの間に、9本揃えたことになる。大して必要でもないのに、次々と交換レンズに手を出すことを、「レンズ沼にはまる」と言うそうだが、今すでに腰ぐらいまでは、浸かったような気がする。
     明らかに浪費であり、深く反省している。

     ただひとつ言い訳させてもらえば、これは奥様が長期入院し、精神的・肉体的な負担が重くのしかかっていたので、気晴らしとしての意味もあった。
     新しいレンズを手にし、ファインダーを通して美しい被写体に没頭するのは、この上ない気分転換になる。それでなんとかここ4か月ほど、鬱に陥ることなくしのげたようだ。
     しかし奥様の退院はまだ先であり、これからもあまり散財しないようにしつつ、折々気分転換し、心身の調子をよく管理して行かなければならない。

    ※お知らせ
     お気付きの方もおいででしょうが、拙サイトもようやくにして、1万アクセスに達しようとしています。
     ずいぶんスローペースでしたが、なんとか当初の目的を果たせそうなので、これを期にサイトのリニューアルをはかりたいと思います。そこで1万アクセス達成後、しばらく更新が遅れるかもしれませんが、新しいサイト作成のため、ご容赦願います。





      ペン  「苦しい日々」 20090216

     今年は年明け早々、ろくなことがない。
     正月はカゼをひいて寝込み、仕事が本格的に始まったら、お偉い方々からとある事業に対してご指導を賜り、業務内容の見直しを迫られた。それも済んでやれやれと思っていると、奥様の様子がおかしくなり、1月末に高岡の病院へ行ったところ、即入院することになった。
     少々微妙な病気で、診断も難しく、療養に3か月ほど要するらしい。

     奥様の病状も心配だが、5歳になったばかりの息子が哀れでならない。
     ようやく乳離れして、母親以外の家族と寝られるようになったばかりだ。なんとか慰め、今のところひどく寂しがってはいないけれど、最低ひと月は母親と一緒に寝られないのだ。
     また家族にとっても、病人の世話や気遣いなどの他、育児の負担も倍増し、正直言ってしんどい。
     これが少なくともこの先、年度末までは続くのだ。

     来し方行く末を考え、少々鬱になっていた時、拙サイトをちらちら読み返していたら、次の詩が目に入った(→「苦しみの日々」20050405)。
     「苦しみの日々 哀しみの日々」  茨木のり子
    苦しみの日々
    哀しみの日々
    それはひとを少しは深くするだろう
    わずか五ミリぐらいではあろうけれど
    さなかには心臓も凍結
    息をするのさえ難しいほどだが
    なんとか通り抜けたとき 初めて気付く
    あれはみずからを養うに足る時間であったと
     …(中略)…
    苦しみに負けて
    哀しみにひしがれて
    とげとげのサボテンと化してしまうのは
    ごめんである
     …(後略)…
     ※『倚りかからず』(筑摩書房1999 p.64)
     これは恐らく故・茨木のり子さんが、最愛の夫を亡くした後、自ら経験した心情を踏まえて詠んだのだろう。
     わが家の現状は、それに比べるとはるかにましであり、まだまだ落ち込んでいるわけにはいかない。今はまさしく「みずからを養うに足る時間」であると信じ、「とげとげのサボテンと化して」しまわないように、自分のつらさばかり意識せず、他者への思いやりを忘れずにいたい。








      ペン  「謹賀新年」 20090101


      あけまして
       おめでとうございます。
      今年もよろしく
       お願い申しあげます。

          2009年 元旦



    ※愛用の文鎮です。 →