晴耕





        里山日記

        2006










  「山藤ぶどう園 再来」 20061022

 今年はもうブドウの時季が終わり、平地でも紅葉が始まっている。この秋もなにかと多事多端で、気ぜわしかったが、それでもなんとか時間をひねり出し、10月の初め頃、旧婦中町の「山藤ぶどう園」へ行ってきた。
 3年ほど前、ここでブドウ園というものに開眼し(20030910参照)、以来あちこち行ったけれど、やはり設備の点ではここが県内随一だった。ブドウそのものの出来からすれば、いろいろ好みも分かれようが、なにせ富山県内にワイナリーはここしかなく、各種イベントもにぎやかだ。
 しかしこれまでワイン等は買い漁りながら、このブドウ園でかんじんのブドウ狩はしたことがなく、ぜひ一度体験したいと切望していた。意外と県内で、食べ放題タイプのブドウ狩をやっているところが少なく、後は初体験の場所だった「殿山農園」(20050925参照)くらいだろうか。他は、摘んだブドウを量り売りするタイプばかりで、いまいち面白味に欠ける。
 ということで、期待に胸を躍らせ、快調に婦中方面へ車を走らせた。

 当日は曇り気味の天気で、遺憾ながら午後に雨も予想された。
 そこで早めに事を進めるべく、10時頃に家を出て、11時過ぎには目的地に到着した。そこで売店のおばさんに、ブドウ狩の方法と品種を聞いたら、「マスカットベリーA」しかやっていなかった。まあ悪くはないにしろ、これを腹一杯食べる気にならない。急遽、宗旨替えしブドウ狩を止め、売店に並んでいる珍しい品種を、ことごとく買い占めることにした。その結果は次の通り。
 1「ロザキ」 2「安芸クィーン」 3「赤嶺」 4「ユニコーン」(旨かった順
 ちなみに各々の品種について、主な特徴を紹介する。
  1. 白黄色で短楕円形、欧州種を代表する優良品種。わたくしの愛する、「ロザリオビアンコ」の近縁種。
  2. 鮮紅色で卵型、蜂蜜にも似た味の欧米交雑種。
  3. 紅色で先尖卵型、おなじみの欧州種である「甲斐路」の変種。
  4. 紫紅色で長楕円形、皮ごと食べられるあっさりとした味の欧州種。
 季節の終わりにしては、品種が多くたいへんおいしかった。残念ながら、今年も愛しの「ロザリオビアンコ」を逃したけれど、まあ来年に期待したい。
 ブドウ狩こそしなかったが、せっかくお昼を食べるなら、バーベキューが良いということになり、家族3人、ブドウ棚の下で鉄板焼きに挑戦した。バーベキュー・セットに付いている「立山ワイン」は、運転手であり、飲むわけにいかなかった。しかし野外での昼食は、ことのほか美味であり、いろいろな意味で収穫が多かった。

《追伸》
 山藤ぶどう園にはヘリコプターもある。園長の道楽である小型ヘリコプターが止まっていておもしろかった。
 これは、平成5年に結成した、富山ヘリコプターフライングクラブ「リゲル」に所属し、現在は14人のメンバーで、「ロビンソン R22」に乗っている。山藤ぶどう園に、ヘリポートと格納庫(トラクターと共用)がある。

【かっこいいロビンソンR22】                  →
《二伸》
 なぜか、氷見にある「(株)平和観光」の大型バスが来ており、若い男女が多かった。察するに、集団見合いか?
 これについて、ネットで検索すると、おもしろい情報が見つかった。
 氷見にUターンして仕事がしたい人、氷見で仕事を探したい人向けに、商工会議所等で設立された「ジョイフルワーク氷見」のホームページに、
「2006 年 08 月 25 日 【出会い】ブドウ畑でBBQ 10月1日開催 ≪参加者募集中≫」
とあり、まさしくこの日、「出会い」系のイベントが催されていたのだった。  こちらの方でも収穫があれば、同じ氷見の住人として、まことにめでたい。







  「秋の畑作」 20060925

 今年は秋に入り、定期的に菜園へ行っている。前回の「早朝草刈り」に続いて、翌週も種々の農作業に出かけた。
 まず今秋初めて、サツマイモを収穫した。
 サツマイモは通常9月末頃に収穫するが、人によってもっと早めにも採るらしい。それは丸々と実ったイモより、やや小ぶりの方が美味しく、また冬野菜に向け地面を空けるためなどの理由による。そこでわが家でも、今回は早めに収穫することにした。
 やはり例年より小さめだったけれども、数日後イモ天にすると、かなり旨かった。ちょっとカゼ気味だったのが、豊富に含まれるビタミンCの効果か、あっさり治ってしまった。

 こうして空いた畝に、畑作のうまい上司からもらった珍種「アンデスレッド」(→20060814)を植えた。さらに奥様が生協の通販で、「インカのめざめ」という珍しいイモを見つけ、原種に近いそうなので、これも植えてみることにした。「インカのめざめ」の表面は、ふつうのジャガイモと変わらないけれど、中はサツマイモのようで、お味の方も甘みが強く美味だ。そこで入手した半分ほどを種芋としたが、はたして実るかどうかは神のみぞ知る。
 サツマイモの他に、数は少なくとも次のような作物が実っており、ちょっとうれしかった。
  • カボチャ…わが菜園は、カボチャと相性が悪く、これまで何度か試しても実ったことがなかった。ベランダのプランターでも実を付けたのに、不思議で仕方ない。しかし今年、畑の土手に植えてみたら、初めて収穫できた。文字通り、「ドテカボチャ」である。
  • 落花生…ものは試しに植えていた落花生が実った。来年は、本格的に取り組んでみようか?
  • 枝豆…余った種を、空き地の焚き火あとに蒔いておいたら、実っていた。草木灰はアルカリ性で、やはり豆類はこうした土壌を好むらしい。
 しかし、こんな良いことばかりでなく、懸案の問題もあった。  今年は草刈り機が不調で、何度試してもエンジンが掛からない。ガソリンを入れ替え、点火プラグを交換しても、だめだった。1週間で50回近くスターターを引き、肩を壊しそうになった。
 もうがまんならず、今度も動かなかったら、分解し廃棄すると心を決めた23日の土曜日。最後の知恵を絞って、分からないながら、アイドリング調整のネジをいじって、スターターを引っ張ったら、やっと草刈り機が始動した。やれやれ…。
 ひと夏、草ぼうぼうのままで、ご近所に気兼ねしていたが、たった1時間で、写真のごとく、見違えるように草刈りできた。農機具の威力は、やはりすごかった。
 まことに溜飲の下がる思いがして、夕方よく冷えたビールを、しこたま飲み下したのだった。
        【溜飲の下がった草刈り跡】








  「夏の早朝草刈り」 20060904

 8月は姉上様のご帰省や、お盆行事のため、わが菜園へ出かける暇が無く、また草ぼうぼうの荒れ地と化していた。これではご近所様に申し訳ないということで、意を決しお盆過ぎの日曜日、早朝の草刈りに行ってきた。
 今年の8月は、先月とうって変わって猛暑となり、延々真夏日が続いている。とても日中に畑仕事ができるはずなく、また日が暮れるのを待つと、7時過ぎになってしまう。従って、唯一行ける時間帯は、わが家の生活リズムからすれば、朝の6時から8時過ぎまでというところだろうか。

 そこで早朝6時頃、一家3人+犬という部隊で出動し、7時半に撤収した。
 ポイントは、ちっちゃいやんちゃ坊主と、きっかん犬をどのようになだめすかすか、ということにあった。
 柴太朗は車につなぎ、やんちゃ坊主は仕事の進み具合に応じ、交代で面倒みて、なんとかしのいだ。
 まるまる1時間ほどがんばった割には、写真を見る限り、さして仕事がはかどったとは見えない。今年は草刈り機の調子が悪く、使い物にならなかった。ただひたすらせっせと鎌で雑草を切るしかなく、人力で除草することの大変さを、改めて実感した。
 しかしこの有様では、再度リベンジに出かけなければならないだろう。

 ただひとつ目立った効果があったのは、1時間ほどの作業で、体重が0.5キロも減ったことくらいだろうか。
 日頃の運動不足解消には、確かに有効なようだ。

       【作業前の有様】
   【作業後の変わりばえしない有様】








  「アンデスレッドほか」 20060814

 少々掲載する時機を逸した観もあるけれど、実はかれこれひと月ほど前、ジャガイモを収穫していた。
 今年は春の気候が寒冷で、雨も多く、ジャガイモの生育に悪影響があった。3月中旬頃種芋を植えた後、雪が舞ったり長雨に遭ったりして土の中で腐り、半分も発芽しなかった。これじゃあ収穫にならないな、と落胆していたところ、残った芋がそこそこがんばってくれ、買った種芋分以上に実っていた。倍にはならなかったが、なんとか元はとれそうで、来年こそさらなる収穫を期待したい。

 ところで、4月から畑作のうまい上司が来て、色々教えてもらっていた。論より証拠ということで、芋掘りに呼んでもらい、ふかふかの畑でジャガイモを収穫してきた。
 彼は珍種のアンデスレッドも作っておられ、ひと畝分を掘り職員で分けた。それでも一人十個は当たり、見たことのない赤いジャガイモにみな感激していた。
 赤いと言ってもサツマイモ位なのだが、形はジャガイモなのでびっくりする。かんじんのお味の方は、当然サツマイモのような甘さはない。ふつうのジャガイモよりやや甘いかな、という程度だけれど、味は深く複雑でコクもあり、たいへん美味だった。ぜひ自分でも作ってみたい。

 後日、耳寄りな話を、その上司から聞かせてもらった。
 なんと、このアンデスレッドは、そのまま種芋になるという。他の品種では、やはり特別な芋でなければ、そのまま植えてもあまり実らない。原種に近い、アンデスレッドならではの芸当だろうか。
 従って、これを聞いた日の夕方、家族へ今後アンデスレッドを食べないよう言い渡し、8月末に残りを植えて、11月の収穫を待とうと思う。
 しかし、われわれの拙い技術で、本当に実るのだろうか。冬の北風にふるえる季節、腐り果てたアンデスレッドを見ながら、心まで寒くなっていないかと心配ではある。

     【珍種アンデスレッド】
     【わが家のメークイン】







  「スズ竹退治 …七夕にちなんで…」 20060710

      
 先週は、七夕だった。
 幼い息子がいるわが家でも、今年は写真の通り、なかなかしっかりとした七夕飾りを出して、節句を楽しんでいた。短冊や色紙の飾りは、すべて奥様のお手製で、無精な親父にもノルマが課せられ、取って付けたような願い事を書いて括り付けられている。
 しかしこのように華やかな七夕飾りは、もしかすると今年限りになるかもしれない。

 この飾りの本体であるスズ竹(※注)は、わが家の素人菜園に群生していたもので、刈っても刈っても生えてきて、手を焼いていた。
 竹は生命力が強く、地下茎を根絶やしにしない限り、何度でも生えてくる。これまで少しずつ苦労して群生地を開墾していたが、なかなかはかどらない。
 それが今年の大雪で、半分ほど倒れてしまい、50本ほど切っても焼け石に水だった。

 この倒れた竹が農業用水を覆い、不都合であるということで、7月の初め頃、ご近所総出で伐採された。
 【最初で最後かもしれない七夕飾り】
 土地を管理する者として、まことに恥ずかしい限りであり、たまたま通りかかった奥様が話を聞き、慣れた人に掛かってもらって、一日で始末を付けた。お疲れ様です。
 わたくしはと言えば、仕事の都合で参加できず、たいへん申し訳ないことをしてしまった。玄人の仕事はかくも速いもので、愚夫が数年ぐずぐずやっていても、埒があかなかった。反省しきりであり、以後は責任持って草刈りに邁進したい。

 その最後のスズ竹を使ってこしらえたのが、あの盛大(?)なる七夕飾りだった。へたれ体質の我々が、わざわざあれ程の竹を買ってきてまで作るわけがなく、美しく七夕らしい飾りも、今年が最初で最後であろうと、愚夫は推測している。

   【荒れ放題のスズ竹群生地】

   【皆様のご協力で伐採された平地】 →

※ ここでは、地元で言い習わしている、「スズ竹」を採用した。しかし、本物の「スズタケ」は「ネマガリタケ」の別称であり、もっと深い山間部にしか自生していない。










  「今年の花見」 20060424

 まだまだ肌寒い天気が続き、なかなか春らしい気候にならない。しかしもう桜の季節は終わりになって、朝日山では枝にほとんど花びらが残っていない。
 今年は桜の満開と「ごんごん祭り」がちょうど重なり、17・18日と朝日山中、人だかりだった。しかし保育園へ上がったばかりの息子が、めずらしくカゼで熱を出し、残念ながらお祭りに行けず、家でおとなしくしていたのだが…。

 この時季は毎日山へ登り、桜の咲き方を綿密に観察しているので、今年はお祭りと満開が、重なるものと予測された。そこで少しでも空いている時に花見しようと、16日の昼過ぎに晴れ間をねらって、デジカメ背負い散歩に出かけた。やはり日曜日で、そこそこ人出があったけれど、混雑しているほどでなく、良いポイントで撮影できた。
 ただこの日は、曇りがちで光りが弱く、もうひとつきれいに撮ることができなかった。それでも仕方なく展望塔へ登ったり、枝振りの良い樹を探したり、良いアングルを求めあちこち見て回った。そうして展望台へ行ったところ、屋根付きの施設をどこかの青年団が占領し、シートを広げ宴会していた。
 折しも春祭りの季節であり、おそらく獅子舞にでも回った打ち上げだろうが、TPOをわきまえないはしゃぎぶりで、迷惑至極だった。たまたま中国人とおぼしき観光客が、絶景の場所を選んで記念撮影しており、彼等に国辱をさらすようで、いたたまれなかった。       
 このように不快な思いをしながらも、しぶとくねばってシャッターを切っていると、にわかに雨が降り出した。近所なので傘の用意もなく、脇の下にカメラを守り、頭に手ぬぐいをかぶって、一気に駆け戻ってきた。ああしんど。

 満足な写真も撮れず、不快な思いをし、雨に降られ、ずぶ濡れで帰ってきた。
 翌日、リベンジに行ったのは、言うまでもない。その成果は、また「風土氷見」にでも掲載しよう。

   【色々あって不機嫌そうな表情の桜】











  「耕作はじめ」 20060320


 まだまだ春らしい気候に恵まれず、ちらちら雪の交じる日が多い。
 しかしそれもなごり雪に過ぎず、もうガンコに積もることはないだろう。という見込みで、先週ジャガイモを植えに行ったら、二・三日後にしっかり10cmほど積雪があった。
 ほんとに今年はどうなっているのか。けれどもさすがにそんな雪も数日で消え、そろそろ本格的な畑仕事ができるようになった。
 ただ去年の12月から2月末まで、あんまり雪が深かったせいか、なんと愛しいソラマメ様の芽が、まだ生えていない。急いで残っていた豆を植え直してはみたけれど、今年はちょっと収穫が期待できそうにない。嗚呼、悲しいかな。

 かくのごとく少々出足がくじかれた感はあるけれども、気を取り直してせっせと土を掘り返し、近くのJAグリーン・センターで買ったプロ用(?)の種芋を、心を込めて植えてきた。
 でも、すでに男爵芋が売り切れていて、メークインしか残っていなかった。別にこの品種が嫌いなわけではないけれど、一説によればあまり数がならないらしい。有機農法にこだわり(?)、元々肥料気の乏しいわが菜園で、どのように育つかはまったく予断を許さない。ただわが息子は幼いながら土いじりが好きらしく、スコップを持って積極的に畑仕事へ参加していた。頼もしいヤツ…。
 彼の努力に報いるためにも、メークインさんにはがんばってもらいたい。

         【今年の耕作予定図】

@そろそろ満杯になって、新たな場所へ移転したコンポスト。この作業がけっこうきつかった。

A以前のコンポスト設置場所。なかなか良い堆肥ができていた。
 
Bメークインさん畑。ようやく我々も芋作りに慣れてきて、今年はちゃんと土を起こし、平地に植えた。去年までついつい畝を切ってしまい、土寄せができず失敗していた。まあ失敗は成功のもと、ということで。

Cソラマメ様のご生育予定地。しかし悲しいかな、まだ若葉も生えていなかった。
Dサツマイモ畑予定地。わが息子は目下サツマイモが大好きで、「教育」のため、大収穫を期待している。











  「白鳥」 20060306


 そろそろ春の兆しが見えてきて、畑に積もった雪も、ほぼ3か月ぶりに消えたようだ。楽しみにしていたダイコンは、雪に埋もれ生育が悪く、ニンジンほどの大きさしかない。ただそれでも味の方はまあまあで、煮物などにして美味しくいただいた。
 そうして空いた場所に、さて今年はなにを植えようかと、考えるのも楽しい。

 ところでそんなわが家のミニ菜園は、十二町潟の近くにあり、なんと冬に白鳥が飛来する。
 まあ多くて十羽程度ではあるけれど、近辺の人が熱心に世話しているかいもあって、人が近づいても驚かない。朝夕の食事時になると、餌を求め間近に寄って来るという。
 これまでも、なんとか近くで野生の白鳥を見てみたい、と念願していながら、水郷公園からでは遠くてろくに観察できず、涙をのんでいた。それがある筋から、格好の場所を教えてもらい、さっそくよく晴れた休日に、デジカメ担いで撮影に出かけた。
 ただし、いろいろ都合があって2時過ぎに行ったところ、風が強く、白鳥様はみな長い頸を羽に埋めてお休みの最中だった。これではまったく絵にならない。それでも寒さを我慢しながら、小一時間もねばると、ようやく何羽かちょっと泳いだり、頭をもたげたりする姿が撮れた。
 今年は、まあこれで良しとしよう。
      
 しかし、古城公園のお堀などで、羽を切られしかたなく泳いでいる白鳥と、のびのびとした野生の白鳥とでは、まったく迫力が違う。ある程度は人に慣れながらも、リーダーらしき雄が、じっとこちらの動静をにらんでいる、面構えも良かった。
 もう氷見の群れ(一家族らしい)は十二町潟を離れ、富山の田尻池あたりにいる大きな群れと合流したようだ。やがて3月の半ばには、日本からも去って行くのだろう。
 来年もまた一羽でも多くやって来て、美しい姿を見せて欲しい。今度はパンくずでも持参し、精いっぱい歓迎してやりたい。
 
 【白鳥のくせに「ガン」をとばすリーダー】











  「一八豪雪?」 20060115


 最近ようやく寒波の峠も越えたようだ。最高気温が5度くらいはあり、屋根の雪も少しばかり溶けた。それでも氷見の市街地で、60cm以上雪が残り、一番降った時点では1mもあった。
 これはただの大雪ではなく、もう立派に「豪雪」であろう。
 これまで名のある「豪雪」として、三八(1963)・五六(1981)・五九(1984)等があった。今年もたぶんこれに名を連ね、「一八豪雪」と呼ばれるかもしれない。しかし例年、積雪のピークは一月末の大寒頃で、むしろこれから「豪雪」の本領が発揮されるのだ。
       【一八豪雪?の街並み】
 
 別に「豪雪」などと呼ばれなくていいから、早く雪解けになってほしいと、切に願っている。

  わが家のミニ菜園も雪に閉ざされ、ダイコンすら取りに行けない。1m近い雪をかき分け畑の様子を見に行く元気などなく、そんな暇があれば屋根の雪下ろしでもしろと、誰かに怒られそうだ。
 これではいつから畑の準備に行けることやら。里山の本でも読んで、無聊を慰めるしかない。
   

 実は昨年の夏頃、内山りゅう氏の『田んぼの生き物図鑑』(山と溪谷社)が刊行された。これは田んぼにいる生物507種類を網羅した図鑑で、里山に棲む生物の多様性をわかりやすく表現している。失われつつある古来の田んぼでけなげに生きる動植物を、美しい写真で撮影しており、身近な生物の写真集としても、じゅうぶん鑑賞に堪える内容になっている。
 ぜひご一読されることを、お薦めします。