間違いやすいきのこの鑑別 クサウラベニタケ・イッポンシメジ編
  ヒダ 場所、季節 特記
 
径2〜8cm 白ないし淡クリーム色 白色、中実。 雑木林内 昔から、「におい松茸、あじしめじ」といわれ、美味。シメジと名のつくきのこが多い中で、ホンシメジは味、風味ともに群を抜き、古くからシメジといえば、このきのこを指してきた.
ホンシメジ はじめ半円球〜饅頭型、のち開いて平となる。 色の変化なし 長さ3〜8cm 秋季(10月中旬)
(キシメジ科) ヒダは幅狭く、密。 下部が徳利状にふくらみ、大黒様の腹に見たて、大黒シメジとよばれることがある。  
A p17    
B p52.53 灰色    
C p35 肉:白色、緻密        
           
径7〜15cm 汚白色のち肉色に変化 白色、中実、平滑。 広葉樹林内地上 クサウラベニタケ・イッポンシメジとの鑑別点(相違点)
ウラベニホテイシメジ はじめ鈍頭の円錐形、のち開いて市女笠状。 ヒダは幅広く、疎。 長さ10〜20cm、径1〜3cm 秋季
(イッポンシメジ科)   柄が地中に入り込む。 (9月下旬〜10月上旬)  
A p79 ねずみ色       ・指で押さえたあとのような(平滑な)くぼみ
B p286 指で押さえたあとのような(平滑な)くぼみ      
C p123       ・傘のあたまに、白っぽいかすり模様のような繊維紋
D p194 絹光沢のある白いかすり模様のような繊維紋      
E p84        
  肉:白色      
径7〜15cm 白色のち淡紅色、肉色。 白色 林内地上 食用のウラベニホテイシメジに比べ、柄が細く、中空。
クサウラベニタケ はじめやや鐘型、のち中高扁平に開く。 ヒダはややあらい。 長さ5〜10cm、径0,5〜1,5cm 秋季
(イッポンシメジ科)   絹糸状の光沢。   傘の表面が、ロウをひいた感じ。
A p79   中空で、くずれやすい。    
B p285 灰色〜褐色       食用のホンシメジとは、ヒダの色(ピンク)、肉質のもろさが異なる。
C p20 表面:絹糸色の光沢、ロウをひいた感じ。      
D p192       毒成分:コリン、ムスカリン、ムスカリジンの化合物
E p86 肉:白色で薄く、質がややもろい。      
F p108         中毒症状:食後30分くらいで、激しい吐き気、嘔吐、腹痛を伴わない下痢。
         
径7〜12cm 白色でのち肉色に変化。 白色 広葉樹林内の地上 外形的には、クサウラベニタケよりも、食用のウラベニホテイシメジやホンシメジに近く、このどちらかと間違いやすい。  
イッポンシメジ はじめ饅頭形、のち中高扁平に開く。 ヒダやや粗く、幅広い 長さ8〜13cm、径0,8〜3cm 梅雨明け頃〜秋
(イッポンシメジ科) 縁部が薄く、波状に屈曲。   繊維状(縦に裂ける)  
A p80 灰黄土色   充実だが、老成すると中空気味になる。    
B p285 表面:平滑、湿時やや粘性。    
F p106 肉:白色       縁部の波状の屈曲、柄が中空気味になることなどが、鑑別点となる。
         
          毒性は、クサウラベニタケと同じである。
           
参考文献
A 原色日本菌類図鑑
B 日本のきのこ
C 原色 きのこ
D 長野県のきのこ 改訂版
E 野外ハンドブック3 きのこ
F 日本の毒きのこ 150種